施設にいた時の有名人、その1

 私がいた施設には結構個性的な人が多かったです。まぁはっきり言って愚かな人

のほうが多かったかな。

 初回紹介するのは佐々木という女、この施設には佐々木という名称の人物が複数

います。初回は最近バツイチになった女。この女は左半身まひで右手しか使えない。

見た感じ、先天性の脳性麻痺でしょう。歩くとき左足を引きずって歩くので

私は「ばったん!ばったん!バツイチ佐々木!ばったん」というあだ名をつけた。

社歴は女性の中では一番あるので他の女性利用者を顎で使うけど、作業ははっきり

言って何にもできない。店内を掃除する時に、コロコロという抜け毛やほこりを

とる道具を使うくらい。

 それで障碍者なら少しはかわいいところがあれば許されるのだが、元ヤンみたいで

ちっともかわいくない。そのくせ物凄いヘビースモーカー、タバコを一日3箱60本

も吸う。障害年金1級を受給しているらしいが、かなり煙に消えているのではと思う。

一時期「パソコンを買うから教えて」と言われ本を貸したがまぁ無理でしょうね。

 この女とは一時期facebookでつながっていたのだが、学歴を見て驚いてしまった。

普通身障者なら、特別支援学校に入学させて高等部までいくのが普通だが。彼女は

市内の「高等専修学校」という聞きなれない学校を出ていることが判明した。

この高等専修学校とは職業技能に幾つかの教科学習を付け加えたようなカリキュラム

を持っている。ただ彼女の学校の場合は理数系の科目が全くなかった。理数系の

科目がなければ、普通の高校の扱いはできない。一般の高卒の資格もないし、大学

受験の資格もない。どうしても高卒の認定が必要なら通信制高校に入学して

ダブルスクールしないと高卒の資格は得られない。

 おそらく彼女は小中と一般校に進学して、高校進学の時障害のために学力不足で

高等専修学校に進学せざるを得なかったのだろう。たぶん親のメンツで特別支援

学校には通わせなかったと推測している。ただ高校進学の段階でにっちもさっちも

行かなくなってしまったのだろう。特別支援学校に通えば、ああいう性格にも

ならずに済んだのではないかと思っている。